RadeonⅦが発売されたので、秋葉で購入。
前回のVega64と比べ、VRAMが16GB、メモリバス帯域幅が1TB/sとスペック上はとても魅力的で、Vega64と比べ性能も少しアップしていることで気になったので購入。
今使用しているVega64簡易水冷モデルと比べ、どのくらいゲームにおける性能が上がっているのか、また、RadeonⅦの電圧がどのくらい下げられるかを、
私の環境で比較してみた。
今回リファレンスモデルだが、ファンが内排気仕様の3連ファンとなっている。
3連ファンは、Nitroなどメーカーオリジナル仕様でよく採用されていることもあり、
リファレンスにしては今回よく冷える。が、ファンは特に工夫も無く普通の物であるため、音は大きい。
外部出力は、DisplayPort 1.4×3,HDMI 2.0の構成。VRで遊ぶにしても、問題無い構成だ。(HTC ViveProはDisplayPort1つで十分なため)
Vega64と異なり、グラボの熱を逃がすように工夫が見られる。実際ゲーム中に手を当ててみると、熱風がでており、熱が良く逃げるのがわかった。
両側面は、中のヒートシンクが結構見える構造になっており、熱を逃がすように設計している。サイドパネルにファンを増設できるケースを使用している人は、冷却効果も高めることが可能
(試しに12cmを2個あてるようにしてみたところ、2~3度低くすることができた。)
ちなみに、今回はインジゲーター(GPUの使用率に応じてLEDが光る)は搭載されていないし、プライマリ、セカンダリの切り替えもない。
公式で比較したベンチがあり、比較する意味もない気もするが、Vega64と比べどのくらいFPSがでるかを測定してみる。
検証PCのスペックは以下の通り。使用中のディスプレイがFS2735のため、画質はWQHD(一部4K設定)で行い、CPUもクロックを固定し、HTTをオフにした状態で検証。
構成 | ||
---|---|---|
CPU | Core i9 9900K @4.7GHz固定、HTT OFF | |
CPUクーラー | Noctua NH-D15 | |
マザーボード | ASUS ROG MAXIMUS XI HERO (WI-FI) バージョン 0805 | |
メモリ | CORSAIR VENGEANCE LPX 32GB (2 x 16GB) DDR4-3200で起動 | |
グラボ(新) | Radeon Ⅶ (リファレンスモデル@HBM2 1000MHz設定) | |
グラボ(旧) | Radeon RX Vega 64 Liquid Cooled Edition @HBM2 1000MHz設定 | |
ストレージ | SSD 256GB(OS起動用)、HDD 2TB | |
サウンドカード | SoundBlasterZxR | |
電源 | Seasonic PRIME Ultra Titanium SSR-850TR | |
OS | Windows10 Pro 1809 | |
ケース | Cooler Master CM690Ⅲ(吸気ファン×6,外排気ファン×1) | |
モニタ | EIZO FS2735 | |
ドライバ | Adrenalin 2019 Edition 19.2.1 for Radeon VII |
検証ソフトは、DirectX 11設定のGTAVのベンチマーク、DirectX 12設定の FarCry5等で計測。
ソフト名 | RadeonⅦ | Vega 64 Liquid Cooled |
---|---|---|
3DMARK(Fire Strike Extreme) | Graphics:13551 | Graphics:11989 |
3DMARK(Fire Strike Ultra) | Graphics:6868 | Graphics:6102 |
3DMARK(Time Spy) | Graphics:8881 | Graphics:8168 |
3DMARK(Time Spy Extreme) | Graphics:4313 | Graphics:3884 |
Shadow of Tomb Raider | 平均:85 最小:65 最大:129 | 平均:72 最小:57 最大:114 |
GTAV | 平均:84 最小:68 最大:110 | 平均:72 最小:56 最大:94 |
FarCry5 | 平均:108 最小:93 最大:132 | 平均:95 最小:84 最大:114 |
BIOHAZARD RE:2 | 平均:121 最小:82 最大:184 | 平均:104 最小:73 最大:151 |
FINAL FANTASY XV | 5260 | 5679 |
結果だが、公式の通りVega64と比べて、15%~20%ほどフレームレートの数値が上昇している。
3DMarkのTimeSpyは、DirectX 12だがFeature Level
12_1を使用していることもあり、競合製品と比べて思ったよりスコアはでない(Radeonが有利なのは、Feature Level 12_0)
FFのベンチはなぜか下がってしまった。ドライバの問題なのか。ある程度更新されたら再度計測したい。
WQHDでAAをとても重い設定にしない限り、各種最高設定でも110は出せるため、FreeSync対応のWQHDディスプレイを使用している人にとっては良い結果であると思う。
私の手元にないため、正確な比較はできないが、競合の2080に追いつけそうというところまで来ている。
前回のVega64が、低電圧で設定するとクロック数を上げ、性能の向上にもつながり、調整のしがいがある商品だったため、今回も私の固体でGPUクロックの電圧がどのくらいまで下げられるかを確認する。
設定方法は、WattManで最大時のGPUクロックの電圧のみ変更。初期設定のGPU最大クロックは1802Mhzのままで測定。
測定は、Radeonのパフォーマンス監視でCSV出力したものから、「電力が一番大きい値」を記載し、その時のクロック数も記載(ファンの回転数の違いもあるのか、クロックが低くても電圧が高い物があったため、単純比較できなかった)
設定Ptn | 電圧設定値(P7) | 消費電力/クロック数(実値) | 判定 |
---|---|---|---|
デフォ | 1058mV | 289w / 1757mhz | ◎:3Dmarkの負荷テスト・ゲームも問題なし |
PTN1 | 1038mV | 255w / 1763mhz | ◎:3Dmarkの負荷テスト・ゲームも問題なし |
PTN2 | 1028mV | 239w / 1766mhz | ◎:3Dmarkの負荷テスト・ゲームも問題なし |
PTN3 | 1019mV | 235w / 1765mhz | ○:3Dmarkの負荷テストは完走できないが、GTA5・バイオRE2で遊んでも問題なし。 |
PTN4 | 1010mV | 230w / 1767mhz | ○:3Dmarkの負荷テストは完走できないが、GTA5・バイオRE2で遊んでも問題なし。 |
PTN5 | 997mV | 221w / 1762mhz | △:この電圧でGTA5を遊んだ所、まれにフリーズする。これ以上下げると画面のちらつきも発生 |
デフォルト設定と比べ、PTN5の消費電力が68wも少なくなった。7nmが聞いているのか、Vega64と比べてかなり電圧を下げることもでき、消費電力が100w近くも低くなった。
RadeonⅦは、低電圧にしても最大クロック数の1802Mhzを超えることは無かった。その代わり、三連ファンの回転数が、電圧を下げれば下げるほど低くなる傾向にあった(デフォは最大2921RPM、PTN5は最大2631PRM)
ファンの音が気になる人は、電圧を下げた方が良いかもしれない
私の個体では、1000mvを切るとちらつき又はフリーズするときがある。950mvで問題無い人も海外にはいるようだが、PTN4の1010mvで問題はなさそうだったので、この電圧でしばらくは運用していくつもりだ。
Radeon ⅦのVRAMが16GBあるので、有効活用できそうなバイオハザードRE2で限界突破設定でメモリをぎりぎりまで使う設定で、常用可能かを確かめてみた。
私の環境では、解像度がWQHDのため全て「最高設定」だけでは、15GBを超えなかった。イメージクオリティを変更して、15GBまで使用できた。
限界突破設定で、ハンク編をプレーしてフレームレートを確認してみた。結果か以下の表の通り。
200%はゲームどころではなかったので、除外するとして、150%は60FPSを超えることが多かった。100%では、平均して100FPS以上出ていたので、常用しても問題無かった
特にバイオRE2は、現在フレームが高ければ高いほど、ナイフの威力が上がる仕様なので、100FPSは最低必要だ。試しに、G第一形態で試したところ、103FPS~110FPSだった。
設定値(イメージクオリティ) | フレームレート | VRAM使用量(WQHD) |
---|---|---|
200% | 最小:32 最大:45 | 15.09GB |
150% | 最小:45 最大:75 | 13.69GB |
100% | 最小:67 最大:160 | 12.69GB |